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H3ロケットエイチスリー

H3ロケットとは

H3ロケットは、Hー2Aロケットの後継機として宇宙航空研究開発機構[JAXA]と三菱重工が共同開発中の次期基幹ロケットです。Hー2Aより打ち上げ能力・信頼性・低コスト、全てに優れる次世代のロケットとして開発が進んでいます。

当初は2020年度打ち上げを目標に開発されていましたが、第一段エンジンの開発が難航した為に延期が繰り返されました。現在は解決の目途が立ち、2023年2月13日に試験1号機の打ち上げが予定されています。

メインエンジンLE-9

第1段部分には「LE-9」という液体水素・酸素を燃料としたエンジンを新規に開発しています。これはHー2A第2段ロケットに搭載している「LE-5B」と同じタイプの「エキスパンダーブリードサイクルエンジン」です。このエンジンはHー2A第1段ロケットに使われていた「二段燃焼サイクルエンジン」と比較すると、推進剤効率が落ちるというデメリットがあります。

しかしこの「エキスパンダーブリードサイクルエンジン」は想定外の動作時に爆発しにくいという利点があります。将来は有人ロケットとして活用される可能性があります。また構造を簡素化でき低コスト化できるというメリットもあります。それらのメリットがデメリットを上回ると判断されています。

将来構想

日本はアメリカ合衆国が主導する国際協同月探査計画「アルテミス」に参加しています。日本はその中核施設である月軌道上ステーションへの補給任務実施を目指しています。しかし月軌道まで次期宇宙ステーション補給機「HTV-X」をH3ロケット1機では打ち上げられません。

HTV-Xを分割してH3を2機で打ち上げて軌道上でドッキングさせる方法も検討されていますが、それとは別にH3の第一段ロケットを3本に増やした「H3ヘビー」の開発構想も存在します。

UPDATE:2023年2月4日

H3ロケットの性能、及び類似ロケットの比較

機体名 H3H-2Aファルコン9
開発国
[運用主体]
日本
[JAXA]
日本
[JAXA・三菱重工]
アメリカ合衆国
[スペースX]
運用状況
[運用期間]
開発中運用中
[2001年~]
運用中
[2010年~]
重量422トン~574トン445トン549トン
打ち上げ費用
[推定値]
50億円~80~120億円68億円
成功率-%
[0回/0回]
97%
[45回/46回]
98%
[197回/199回]
打ち上げ能力
[低軌道]
-10~15トン
[高度300km]
16.8~22.トン
打ち上げ能力
[太陽同期軌道]
4トン以上
[高度500km]
3.6~4.4トン
[高度800km]
-
打ち上げ能力
[静止遷移軌道]
6.5トン以上4~6トン5.8~8.3トン

参考ページ

ロケットの基礎知識講座

日本のロケット

日本のスペースプレーン

世界のロケット