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Epsilonイプシロン

イプシロンロケットとは

イプシロンロケットは、日本の宇宙研究開発機構(JAXA)とIHIエアロスペース社により開発された、日本の衛星打ち上げ用ロケットの1つです。同様にJAXAが運用中の主力ロケットH-2Aとの大きな違いは、その能力・目的そして使用される推進剤です。H-2Aは高度200kmに10トン以上のものを打ち上げられる大型ロケットですが、イプシロンは1.5トン以下の小型衛星用打ち上げを目的としています。

またHー2Aは主に液体燃料を使用する『液体ロケット』ですが、イプシロンは固体燃料を使用する『固体ロケット』です。日本は2種類のロケットを運用することにより、液体・固体ロケット両方の技術を維持しています。

またイプシロンの特徴として低コストで運用できる事にあります。先代の固体ロケットであるMV(ミューファイブ)ロケットは、イプシロンより打ち上げ能力が多少高いものの非常に高コストで使い辛い点があるロケットだったのですが、イプシロンはより低価格・短時間で運用できる用に設計されています。イプシロンは鹿児島県にある内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられます。

6号機の失敗とイプシロンS

イプシロンは5号機まで完璧な打ち上げを見せていましたが、2022年10月に打ち上げた6号機は途中でロケットに異常が発生し指令破壊されました。現在、JAXAは原因の絞り込み作業中です。

また現在イプシロン改良型の「イプシロンS」の開発が進められています。これはJAXAと三菱重工が開発中の次期主力ロケットH3の開発成果を利用して、打ち上げコストの低減・信頼性向上させた発展型イプシロンロケットです。2023年内の初号機打ち上げが予定されています。

UPDATE:2023年1月29日

イプシロンロケットの性能、及び類似ロケットの比較

機体名 イプシロンミューファイブH-2A
開発国
[運用主体]
日本
[JAXA・IA]
日本
[JAXA]
日本
[JAXA・三菱重工]
運用状況
[運用期間]
運用中
[2013年~]
退役済
[1997年~2006年]
運用中
[2001年~]
重量95トン140トン445トン
打ち上げ費用
[推定値]
30億円~75億円~80~120億円
成功率83%
[5回/6回]
85%
[6回/7回]
97%
[45回/46回]
打ち上げ能力
[低軌道]
1.2トン
[高度250*500km]
1.85トン
[高度250km]
10~15トン
[高度300km]
打ち上げ能力
[太陽同期軌道]
0.6トン
[高度500km]
-3.6~4.4トン
[高度800km]
打ち上げ能力
[静止遷移軌道]
--4~6トン

参考ページ

ロケットの基礎知識講座

日本のロケット

日本のスペースプレーン

世界のロケット