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小惑星探査機 はやぶさ2HAYABUSA-2

はやぶさ2とは

はやぶさ2は、日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)が開発した小惑星探査機です。ミッションの主な目的はC型小惑星の探査、人工クレーターの生成実験、そして深宇宙サンプルリターン探査技術の確立。探査目標はC型小惑星「リュウグウ」です。

このミッションは、世界初の小惑星探査・サンプルリターンを成功させた「はやぶさ」の後継ミッションです。初代はやぶさは多くの技術的成果を上げる一方、トラブルが多く十分な試料を持ち帰ることはできませんでした。それでも、様々なトラブルを準備・技術・工夫により乗り越え、地球帰還を果たしたことから宇宙開発ファンに高く評価されている探査機です。

はやぶさ2は、その初代はやぶさの開発・運用で得られた経験をもとに、より信頼性を高めた探査機として設計・開発が進められました。様々な科学探査機器の他に、ドイツとフランスが共同開発した小型着陸機MASCOT(マスコット)や、MINERVA-II1A&B・MINERVA-II2などのローバー(天体表面で活動できる小型探査機)も搭載しています。

メインエンジンには、μ10改良型と呼称されるイオンエンジンを採用しています。イオンエンジンは電気推進エンジンの一種で、化学推進系と比較して低推力ではあるものの、極めて高い燃費効率を持ち、深宇宙探査機に適した推進システムです。またそれとは別に、軌道・姿勢制御用に化学推進系スラスタも搭載しています。

小惑星リュウグウとは

小惑星とは、太陽の周りを回っているとても小さな天体のことです。地球の直径は12,700km程ありますが、はやぶさ2の探査目標である「リュウグウ」の直径はわずか900m程です。太陽系にはこのような小惑星が無数にあり、太陽系が生まれた頃の姿が今も残されている可能性があります。リュウグウを調べることで、水や生命の起源の一端を解明することが期待されています。

リュウグウ探査とサンプル採取、そして地球帰還

はやぶさ2は2014年12月3日、種子島宇宙センターからH-IIAロケット26号機で打上げられました。その後、μ10改良型イオンエンジンを継続的に稼働させながら深宇宙航行を続け、2018年6月27日に小惑星リュウグウ近傍に到着しました。

リュウグウ到着後、2機の搭載ローバー(MINERVA-II1A&B)と小型着陸機MASCOTの分離・着陸に成功。さらに着陸の目印としてターゲットマーカーを分離・降下させることにも成功し、着陸の準備が順調に進められました。そして、さまざまな遠隔観察を行った後の2019年02月22日、はやぶさ2は小惑星リュウグウにタッチダウン(≒着陸)、サンプル採取に成功しました。

さらに2019年4月5日、衝突装置(インパクタ)を高速でリュウグウへぶつけ、直径約18mの人工クレーター生成に成功。2019年07月11日、露呈した内部物質が多く堆積しているポイントにはやぶさ2を再降下させ、リュウグウ内部物質のサンプル採取にも成功。2019年11月13日、探査を終えたはやぶさ2は地球帰還の途に就きました。

2020年12月、はやぶさ2は地球近傍に帰還。サンプルを格納した再突入カプセルを、オーストラリアのウーメラ砂漠に降下させる事に成功しました。なお、回収できたサンプル量は5.4gと目標値の50倍以上でした。採取されたリュウグウのサンプルは解析が進められ、はやぶさ2の主要目的である小惑星の物質科学的特性を調べる事にも成功しました。はやぶさ2は予定されていた全ての目標を、高い水準で達成しています。

拡張ミッションへ

2026年3月現在、はやぶさ2は小惑星リュウグウのサンプルを地球に届けた後、拡張ミッションを実施すべく宇宙航行を継続しています。2026年7月5日には小惑星トリフネ(2001CC21)の近傍を通過して観測するフライバイが計画されており、さらにその後2度の地球スイングバイを経て、2031年7月頃に小惑星「1998KY26」近傍へ到達する見込みです。

1998KY26はわずか直径約30mの微小小惑星で、自転周期が約10分と高速回転している天体です。これらの微小小惑星は、100年~1000年に一度の割合で地球に衝突すると考えられており、その探査はプラネタリーディフェンス(地球防衛)に役立つものと期待されています。

はやぶさ2は、着陸用のターゲットマーカー1個とサンプル採取用のプロジェクタイル(弾丸)を残しており、タッチダウンする事も検討されています(サンプル採取はしません)。日本は「はやぶさ」「はやぶさ2」ミッションにより、小惑星探査・サンプルリターン分野で大きな実績を築いています。これらの知見は、後継ミッションである「火星衛星探査計画MMX」へと引き継がれる予定です。

UPDATE:2026年3月29日

ミッションスケジュール

2014年12月03日
H-IIAロケット26号機で打ち上げ
2018年06月27日
小惑星りゅうぐう近傍に到着
2019年02月22日
第1回着陸、及びサンプル採取に成功
2019年04月05日
人工クレーター生成に成功
2019年07月11日
第2回着陸、及びサンプル採取に成功
2019年11月13日
りゅうぐう出発
2020年12月06日
地球に帰還、サンプルを地球降下させる事に成功
はやぶさ2は小惑星「1998KY26」に向けて出発
2026年07月05日
小惑星トリフネ(2001CC21)をフライバイ
2027年12月
地球をスイングバイ
2028年06月
地球をスイングバイ
2031年07月
小惑星1998KY26に到着

主な参考ページ

宇宙探査機

人工衛星

宇宙船

宇宙ステーション